「先生ってゲイなの?」にどう答えるか

「先生ってゲイなの?」という質問をされた場合、どのように返すかここ数日考えている。多様性(LGBT)教育の実践をするのであれば、その質問に対して、自分なりの答えを用意しておくことが必要だと思う。

もし、そういう質問がされた場合、「僕がどういうセクシャリティであったとしても、その質問には答えません。」と答えようと思う。学校であっても、というか学校だからこそ、異性愛者じゃない人が差別されるリスクは高いよね? という前提をみんなで確認した後、次の2つの理由を子どもに伝える。

まず一つ目。異性愛者でない人(以下、マイノリティ)がこの場にいて、僕がその質問に答えた場合、マイノリティを苦しめる構造を作り上げることに加担してしまうから。差別されるリスクがない人(マジョリティ)にとっては、自分のセクシャリティを明かすことは、何の問題もないだろう。けれども、マイノリティにとっては、セクシャリティを明かすことは自身の存在をかけた死活問題だ。もしかしたら、そんな質問なんて気にせず、自分のセクシャリティを答えられるという人もいるかもしれない。けれども、全てのマイノリティがそこまで吹っ切れているわけではないし、マジョリティの中にだって、自分のセクシャリティに関することはプライベートなこととして人に言いたくない人だっている。それなのに、先生という影響力の大きい存在である僕が、その質問に答えてしまったら、「人にセクシャリティを聞かれたら答えるのが普通、答えなければならない」という暗黙のメッセージを発してしまう。

そして二つ目。その質問に答えることが、誰にとってもプラスにならないから。教員が異性愛者以外の場合、YesであれNoであれ、その質問に答えること自体が苦痛なのは明らかだ。また、教員が異性愛者であったとしても、その質問に答えることで、センシティビティの高い他者(子ども、保護者、同僚)に「配慮の足りない人」と思われてしまうだろう。

セクシャリティに関して聞くことをタブーにしたいわけではない。私的で親密な人間関係においてセクシャリティを語ることを否定しているわけではない。ただ、学校、教室というパブリックな空間において、プライベートな質問をしたり、それに答えるということは適切ではないということだ。

LGBTについての実践をしていく上で、このような質問に対する適切な回答はどのようなものか、みんなで考えていきたいし、いろんな考えを聞かせてほしいと思います。

 

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