作家の時間のミニレッスン

もうすぐ1学期が終わってしまう。大きな反省点は、作家の時間がうまくまわらなかったこと。「書き出しの工夫」「比喩」「修正の仕方」「校正の仕方」といった、基本的なミニレッスンはしたものの、子どもたちの創作活動が加速せず、それに対して有効な手立ても打ち出せず、子どもも僕も悶々とした1学期だった。ミニレッスンを、子どもたちの実態に応じてこちらでカスタマイズしたり、0からデザインしたりする必要があったなと痛感してる。2学期にこの状況を立て直すために、夏休みにやれることはやっておきたいです。

 

創作活動における子どもたちの課題

  • 延々と続く会話文。

 会話文だけが延々と続くと、読み手は誰が何を言っているかついていけなくなりがち。地の文と会話文のバランスを考えさせる手立てが必要。

  • 出来事と出来事の間の描写がない。

 出来事と出来事の間を細切れに描写していくことで、情景を読み手に喚起させることができる。物語の進行もスムーズでなめらかになるので、読みやすくなる。出来事と出来事の間のグラデーション的な描写がなく、物語がぶつ切り感満載で進んでいくと物語に入り込みにくくなる。

  • プロローグで挫折。その先に進めない。

 ホワイトボードやイメージマップは、物語の設定に関するアイデアの発散には適していたし、うまく機能していたように思う。だから、子どもたちは饒舌なプロローグを書くことができていた。しかし、問題はそこからで。発散されたアイデアをもとにして、そこから物語をどう構築していくか。みんなそこにぶち当たっていて、プロローグから先に進めない。進めたとしても行き詰ってしまって物語を完結できないパターンが多発。解決のためには、物語の全体設計図を提供する必要があると感じている。石原千秋氏や工藤順一氏なんかの著作にはそこらへんの問題に対する有効な手立てがある気がしていてリサーチ中。石原千秋は、物語の型の分析を著作の中で行っていたけど、そういう知見をミニレッスンに生かすことを検討していきたいと思ってる。ただ、ひっかかってるのは、物語の構造をこういうメタな視点で批評的にとらえさせることが、何か大事なものを子どもから奪うのではないか?という意見。そういう考えもあるということは頭の片隅にいれてはおきたいとは思う。