怒涛の運動会週間

 この一週間、運動会特別時間割ということで、怒涛の日々を僕も子どもたちも送っている。6時間の授業のうち、4〜5時間が体育=運動会の練習。合宿から帰ってきてまだ間もないけど、そんなんお構いなしの怒涛の日々。2学期が始まってから《ハレ》の日がずーっと続いているってことだ。何気ない毎日、いわゆる《ケ》の日々をのんびりと味わうように、丁寧に過ごしたいなあとは思っているのは、僕も子どもも同じ。この怒涛のスケジュール、2日目にして子どもたちからすでに大ブーイング。「ちょーつかれる」「普段は体育好きだけど、こんなに毎時間だとうんざりする」「ふつうの授業の時間ないの〜?」などなど。僕自身も、2学期入ってから常に行事に急き立てられている気がして、どうなんかいな?と思っている。僕も正直、バテ気味だ。

 とりあえず、今日は貴重な授業時間が1〜2時間目にあったのだけど、授業はせずに「好きな本を読んでいいよ、3時間目からの練習もあるから、1〜2時間目はのんびり過ごそう!」とまるまる読書タイムにした。教室の畳でねっころがって読む子、ベランダの日陰の机で読む子、友達と肩寄せ合って読む子などいろいろ。でもすっごい集中してた。フロー状態ってやつですな。僕も、吉田修一の「悪人」を読んだ。子どもから「この映画今やってるよね。知ってるよ!」と言われたので「この前、観てきたよ。めちゃくちゃ面白かったよ!」と答えたら「まじで!観にいこうかな!」とその子。結構、生々しい性描写があるので「ぜひぜひ!」とは言えず。まー、もうちょっと大人になってから(中学生ぐらい)観てくださいなと思いつつうまく言えず「うん、まあいいかもね」と言葉を濁す。笑 でも、こういうやりとり、ほっこりするから大事だわ。

  

So In Love

So In Love

 カエターノの声に癒されながらマッサージチェアでブログ書いてます。

冷静にクラスの状況をながめてみる

4月から約半年たった。学年の折り返し地点&大きな行事を一つ越えたということで、改めて子どもたちに今のクラスの様子はどんな感じか振り返ってもらった。結果、9割方は「学校がすごく楽しい」「教室がきれいだしみんなやさしいからほっとできる」「男女が仲良くていい感じ」など、クラスがCゾーンとしてある程度機能している様子がうかがえるポジティブなものであった。まずはそこは一安心。

 ただ、クラスの雰囲気が、「このクラス、神〜、サイコ〜」「イェ〜イ!」「クラス目標完璧に達成できてます!」みたいな感じでちょっと浮き足立ってる(&躁っぽい)感もあり、内心大丈夫かなあとも思っている。さらによいクラスになる余地はまだたくさんあるのに、こんなんで君たち満足しちゃっていいのか?!と思ったり・・・。

 一方で、1割の子が「きつい言い方をする人が増えてきた」「友だちのことを『障害者』って言ってからかってる子がいる」「もっと相手の立場にたって言い方を考えて欲しい」といった振り返りをしているのも事実。

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 この子の振り返りは、今のクラスの状況を非常に的確にとらえ、うまく言語化している。1学期は学年が始まったばかりだったし、いいクラスにしよう、がんばっていこうみたいな気持ちが、子どもたちの間でかなり意識されていたけれど、2学期になったら中だるみでそういう意識が希薄になってきているってことだ。特に僕が危惧するのは『障害者』という言葉を使っている子がいるという事実。これは早めになんらかの手を打たないとまずい。でも、差別や言葉の暴力について子どもたちと改めてじっくりと話し合ういいきっかけだとも思った。大きな行事の多い2学期だからこそ、また改めて丁寧に<子ども/僕><子ども/子ども>の関係を深めていく仕掛けを作っていくつもり。

 

Sweet Butterfly

Sweet Butterfly

  • Stanley Smith
  • ロック
  • ¥150

 秋の定番、ほっこりソング。無人島にもっていきたいくらい好き。

物語の型を教えてみた

 作家の時間をやってきて感じるのは、ミニレッスンで学んだことを生かして物語を自由に書けと子どもに求めても、大多数の子どもは筆が止まってしまうということ。自由に書けと言われても困る!という状態になりがちなのだ。その際、教員はカンファランスを通じて子どもからアイデアをopen questionで引き出すことはできる。しかし、引き出された数多くのアイデア(物語の細部)を、物語の体に構築する視点を子どもは持っていないし、僕も明確に意識していなかった。そんな1学期の反省をふまえ、2学期ではあらかじめ物語の型というものを子どもに教えてみた(これは石原千秋氏の著作『国語教科書の思想』&工藤順一氏の実践を参考にしています)。

 最初から型を教えてしまうことを「身も蓋もない」ことと捉え「物語の味わい、醍醐味を子どもから奪っている」と批判する人は多いとは思うし、賛否両論あるとは思う。でも、物語に対するパターン認識を無意識にできるのは、もともと本が好きでたまらない一部の子どもだけで、そういう一部の子どもだけが限定的に活躍できる学習活動になってしまうことを避けたいという思いがある。どんな子も自分なりに手応えを感じられる作品にするための一助として、ミニレッスンで物語のパターンを最初に教えてしまうことは、僕は別にいいんじゃないかなあと思っている。むしろ、そういう種明かしをしないで、物語作りをすべての子どもたちに要求し続けると、文章を書くのが苦手な子にとってはとてもしんどいのではないかと。あと、物語をパターン認識する視点を持つことは、子どもたちの批評的な物の見方をはぐくむような気がするんだよね。とまあ、手探りではありますが、長い目でぼちぼちやっていこうと思います。今年、僕にとって初めての高学年なんだけど、今までずっともってきた低学年では挑戦してこなかった試みができて楽しいし充実していて幸せ。

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Nothing From Nothing

Nothing From Nothing

 陽気さの中に哀愁が感じられるメロディーでアゲ。 

ふりかえりと自主学習のための工夫

3泊4日の合宿からもどってきた。2学期そうそうイベントがあったけど、なんとか終了。合宿のことは後日詳しく書くとして、今日のブログはここ2日間にやったことを報告。

(1)ふりかえりの質を高めるための工夫

Tチャートを使って、よかったところ&改善点をふりかえった。ふりかえりの質がなかなか深まらんなーと悩んでいたのですが、校内研修でKAIさんから学んだ体験学習のプロセスをふまえて、①事実を集める、②原因の分析、③気づきを得る(or そのときの感情)、④次なる行動の4ステップで段階的に振り返ろう!ということを子どもたちに伝えたら、みんなのふりかえりが深くなった気がする。ふりかえりの質が全体的に底上げされた感じがしてグッドでした。その日、前期最後の委員会活動があったんだけど、そのときのふりかえりも深まってよかった!

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僕自身のふりかえり。一つのモデルとして子どもたちに示した。Pay Forwardって、Beyond and Aboveともいうらしい。(帰国子女の子談)勉強になりました。

 

 

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委員会のふりかえり

 

(2)自主学習ノートのモチベーションを高めるための工夫

4月から続けてきてる自主学習ノートだけど、最近、結構マンネリというか、やる子とやらない子の差が顕著になってきた。やらない、というより、やりかたがわからないということなんだろうな。というわけで、クラス全員で自主学習ノートのギャラリーウォークをした。学習補助員の方もいたので、その方にもお願いして、みんなで付箋片手にポジティブなフィードバックをペタペタ貼りまくった。やる気出てきた〜!ほめられてうれしい!という子どもたちの声が多く上がったので、これからまたどんな風に変わっていくかな。定期的にギャラリーウォークの機会をもうけたり、おもしろいものを学級通信でまめに紹介したり、わからない困っている子にはカンファランスでアドバイスしたりと、やれることはまだまだあるので頑張ってみようと思う。

 

f:id:tokkurings:20160914233627j:plain合宿で作るトマトパスタを家で作って写真をとってきた子もいれば

 

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トランプとヒラリーを比較し、大統領選に注目してる子もいたりして、バラエティー豊か。

 

と、今日はこんな感じ。つかれた。寝る!

 

彼女はブルー(1996)

彼女はブルー(1996)

  • 浜田 省吾
  • J-Pop
  • ¥250

 あまずっぱ!Bitter and Sweet.

 

 

 

怒涛の2学期の始まり

 2学期が始まった。子どもたちにもそろそろ会いたくなっていたので、学校が始まってうれしい。夏休みは子どもと離れて過ごすので、体力的に楽な面もあるけれど、振り返りを促す体験が生まれにくいので(一人だと内省するしかない)独りよがりになりがちな気がする。だから、僕は子どもと一緒に過ごしているときのほうが精神衛生上良い。一昨日は学校で子どもたちを迎えた。いつものおなじみの面々。やっぱりみんなかわいいなあと思う。

 始業式の始まるまでの朝の会でサークルになって夏休みの近況報告についておしゃべり。サークルに目をみやると、男子と女子がパキッと別れて座っていて、思わず笑ってしまった。モーゼの十戒で海が真っ二つに割れるシーンがあるけど、まさにあんな感じ。「男子と女子、見事にぱっきーんとわれてるね!」と突っ込んだら、みんな笑ってた。まあ、新学期始まったばっかだしね。あせらずにいきますかねー。また、9月から子ども同士の横のつながりを耕していこう。子どもたちにとって、同性だけで固まるのはそれがCゾーンだからなんだよね。それはそれでオッケー。PAや日々の関わりの中でその範囲を徐々に広げていければいいかなって思う。来週の水曜からは、3泊4日の八ヶ岳合宿。2学期が始まって、早々に合宿の準備で今はかなりバタバタ。来週は、振り返りの価値、C/S/Pゾーンについての説明にからめて成長について、子どもたちに伝え、一緒に考える時間をとっていきたいと思う。

 ブログは、いい文章を書こうとすると続きませんね。今日は、かなり勢いに任せてだだーっと書きましたが、これからはこんな感じでやっていこうとおもいます。

作家の時間のミニレッスン

もうすぐ1学期が終わってしまう。大きな反省点は、作家の時間がうまくまわらなかったこと。「書き出しの工夫」「比喩」「修正の仕方」「校正の仕方」といった、基本的なミニレッスンはしたものの、子どもたちの創作活動が加速せず、それに対して有効な手立ても打ち出せず、子どもも僕も悶々とした1学期だった。ミニレッスンを、子どもたちの実態に応じてこちらでカスタマイズしたり、0からデザインしたりする必要があったなと痛感してる。2学期にこの状況を立て直すために、夏休みにやれることはやっておきたいです。

 

創作活動における子どもたちの課題

  • 延々と続く会話文。

 会話文だけが延々と続くと、読み手は誰が何を言っているかついていけなくなりがち。地の文と会話文のバランスを考えさせる手立てが必要。

  • 出来事と出来事の間の描写がない。

 出来事と出来事の間を細切れに描写していくことで、情景を読み手に喚起させることができる。物語の進行もスムーズでなめらかになるので、読みやすくなる。出来事と出来事の間のグラデーション的な描写がなく、物語がぶつ切り感満載で進んでいくと物語に入り込みにくくなる。

  • プロローグで挫折。その先に進めない。

 ホワイトボードやイメージマップは、物語の設定に関するアイデアの発散には適していたし、うまく機能していたように思う。だから、子どもたちは饒舌なプロローグを書くことができていた。しかし、問題はそこからで。発散されたアイデアをもとにして、そこから物語をどう構築していくか。みんなそこにぶち当たっていて、プロローグから先に進めない。進めたとしても行き詰ってしまって物語を完結できないパターンが多発。解決のためには、物語の全体設計図を提供する必要があると感じている。石原千秋氏や工藤順一氏なんかの著作にはそこらへんの問題に対する有効な手立てがある気がしていてリサーチ中。石原千秋は、物語の型の分析を著作の中で行っていたけど、そういう知見をミニレッスンに生かすことを検討していきたいと思ってる。ただ、ひっかかってるのは、物語の構造をこういうメタな視点で批評的にとらえさせることが、何か大事なものを子どもから奪うのではないか?という意見。そういう考えもあるということは頭の片隅にいれてはおきたいとは思う。

深呼吸の必要

4月〜5月に比べると、子どもたちともある程度の関係性が築けたという安心感からか、自分に緊張感がなくなり無駄にテンションが高くなってきたきたように思える。具体的に言えば、子どもの言動に対して、脊椎反射的に反応しがちになっているということ。

例えばこんなエピソードが今日あった。僕がみんなに何かを話している時に、ある子が途中で話に割って入ってきた。彼なりに言いたかったことがあったんだろう。でも、僕は思わずカチンときて「まあ、人の話は最後まで聞きなよ!」と頭ごなしにその子の発言を封じ込めた。彼の不服そうな顔。僕は「あ、やっちまった」と思った。後悔するも遅し。なんであそこで僕はあんなにカチンときてああいう態度を思わずとってしまったのか。「先生の言うことを子どもは最後まで黙って聞くべき」という考えが自分の中に強くあることに気づいた。あそこであんな風に反射的に高圧的に反応しなくても、もっと穏やかでしなやかに、過刺激にならないやり方で対処することもできたはずだったのに。

1学期の最初の方が、感情的にならずに、子どもたちの有り様や振るまいを冷めた頭で観察し、一呼吸おいて子どもと向かい合えていたと思う。教員が脊椎反射的な反応をすれば、当たり前だけど子どもたちもそういう反応をする。子どもの姿は自分の姿と鏡合わせ。自分の子どもとの向かいあう時のリズム、ペースが早くなっている。深呼吸しないといけない。